子どもが生まれてから、比較的安定していた
関係がギクシャクしてきました。
転勤で新しい土地へ引っ越し、仕事もその頃には
辞めていました。
私は手がかかる子どもに、いっぱいいっぱいで、
しだいに夫への気遣いが減っていきました。
そして、手伝って欲しいことや要求が増え、
それを夫は疎ましく感じていました。
初めての子育てはとても心細い。
一日中二人っきりで、誰とも話さない日もあったり。
たぶん私はあまりキャパがない方で、ストレスを
感じていたのだと思う。
コミュニケーションがないことへの不満を、
ストレートに表すようになっていきました。
夫に精神的なつながりを期待していた。
子どもが二人の宝物だと実感できる会話。
こう思った、こう感じたと相手に素直に言える関係。
だけど、夫が帰って来ても私が子どもの一日を報告して、
それ以外は会話にならない。
「大変だったんだ」と愚痴を言おうものなら、怒られる。
愚痴を逆手に説教が始まるから、夫に甘えられない。
優しい言葉なんて期待できない。
私はますます追い詰められていって、
不機嫌な日が増えていった。
夫婦が「子育て期」に移行するにあたって、
ボタンの掛け違いはどこにでもあるものです。
「さっきは言い過ぎた,ごめん」とか言って
お互いの気持ちを話して、関係を修復できれば
問題ないんだと思います。
でも、うちの場合話し合おうとしても
「疲れているから」と拒否されたり、手紙を書いても
そのままスルーをされたりして、夫が今の状況を
どう思っているのか。夫の思いとか、気持ちを知る術が
ありませんでした。
私がどんなに気持ちをぶつけても
その壁は高くそびえたち、びくともしませんでした。
私がもっと大人しい女性で、夫に文句も言わないような
人だったら、うまくいっていたのでしょう。
私は一見大人しそうで、でも意外と闘ってしまうんです。
自分でも、自己嫌悪に陥ってしまうけど、
納得いかないと、状況を改善しようと行動したり、
気持ちにうそはつけないんです。
相性が悪いといえばそれまでですが、
お互いにお互いがストレスになっていったのでしょう。
次第に「あれ?」と思うような、夫からの傷つく言動に
悩まされるように、なっていきました。
「さすが、おれの子どもは優秀。それに比べてお前は」
と、ことあるごとに子どもと比べられたり。
私の落ち度や欠点ばかりをついてくるようになったり。
当然私の意見なんて聞き入れてくれるはずがありません。
もともと並んで歩くということすらできない人でした。
手をつなぐのは苦手とか言ってました。
結婚してからはいつも私の前を歩くひとでした。
夫は子どもとだけしゃべり、普段私に話し掛けないくせに、
子どものことで何か問題が起こったときや、
私が何か失敗した時には、全力で、饒舌に、
けなしにきます。
夫からの否定・拒絶に苦しめられ、PMSもひどくなり、
生理前には感情を抑えることが難しくなり、
婦人科で相談してピルも飲み始めました。
話しかけると嫌な顔をする人と、どうして結婚なんて
したんだろう?といつも考えてしまい、
離婚か、もう少しがんばるかと揺れ動く日々の中、
ある日新聞の一面の下の、本の紹介欄が目がとまりました。
「一緒にいても一人」という本でした。
なんだかピンときて、早速図書館に借りに行きました。
読んでみて、とても合点しました。
夫はアスペルガーかもしれない。
だから、バレンタインにチョコのお菓子を
手作りしても、平気で「要らない」と言ったり、
「老けたな~」とか「太ったな」とか
人の嫌がることばかり言ってたんだ。
私がいつもうつっぽいのは、
「カサンドラ症候群」
だからなのかもしれない!
その時は何か解決の光が、差し込んできたような
気がしました。